災害時に受けられる支援~子育て世帯編

ファイナンシャル・プランナー 當舎 緑

2018年11月作成

子どもがいる家庭の災害準備は不足しがち

自宅が災害により被災すると、しなければならないことは盛りだくさんです。「支援を受ける」ということについては、事業主編労働者編でもお話しましたが、すぐ「支払いを止める」「収入を確保する」という流れが大事です。ここでお話しするのは、子どものいるご家庭のケースです。

子どもがいる家庭で被災すると、さらに多くの問題解決を考えなければなりません。子どもの学校の教育費、習い事、受験、引っ越しなど、子どもがいるからこそ、お金も必要ですし、自分の都合だけで被災後の生活を決めることができないからです。しかも、子どものいるご家庭では、子育てが忙しいということもあり、保険の見直しなどもおろそかになり、さらに毎月の家計に余裕がないと、補償も保険料の安さで決定することが多いものです。

そんな状態では災害時の補償が不足することがあります。補償が不足していれば、被災後に日常生活を取り戻すことは難しくなります。

引っ越すか再建かは「返せるかどうか」がポイント

被災後は、ご加入の保険に対して保険金の請求をするでしょうが、並行して、自治体が発行する罹災証明書の申請をしてどのような公的支援が受けられるのか確認しましょう。

罹災証明書の被害認定が半壊以上の場合であれば、トイレや台所の水回りなど、日常生活に必要欠くことのできない設備を、応急的に修理してくれる制度があります。この制度では壊れた外壁の補修や屋根、床、柱・梁等の構造部分、ドアや窓などの、応急的な修理が現物給付となります。上限(一世帯当たり584,000円。2018年時点)を超えた場合には自己負担です。

ただ、修理の適用については注意点がいくつかあります。自分たちで修理する、もしくは勝手に業者に依頼して修理してしまっていると対象外です。また、仮設住宅に入居する場合には使えません。二世帯住宅であっても一世帯とみなされます。修理業者などに話を聞く前に、まずはお住いの自治体で支給される要件を確認しましょう。

「全壊」と認定されても、自宅を手持ちの現金で再建できればいいですが、なかなかそれができるご家庭は少ないでしょう。
阪神淡路大震災以降、住宅ローンを返済中の方が住宅を再建するために、さらに住宅ローンを借りる「二重ローン」が何度も問題になってきました。そのため、住宅ローンを返済中の方に対する二重ローン救済策が、熊本地震で初適用されました。

「二重ローン救済策」とは、全国銀行協会が公開している「自然災害による被災者の債務整理に関するガイドライン」による債務整理の方法です。原則6か月以内でスムーズに債務整理を終了できますし、債務整理後も信用情報がき損しないというメリットがあります。十分な資力のある方は利用できませんが、「支払い不能」もしくはその恐れのある方なら利用できます。

それを踏まえて、自宅を修理して住み続けるのか、再建するのか、引っ越すのかという選択肢を選ぶこととなるでしょう。

参考:全国銀行協会

教育費はバカにならない

ただでさえ重い教育費の負担が、災害時にはさらに重く感じられます。子どもの支援を整理しておきましょう。子どもの教育費を支援するために、就学援助や授業料減免、緊急奨学金などがあります。就学援助や授業料減免は直接学校の窓口に相談してください。その際には、「給付」なのか「貸与」なのかを確認してください。

次に、日本学生支援機構の支援策をご紹介しましょう。「災害により家計が急変し、奨学金の貸与を希望する者」が緊急奨学金を「貸与」してもらえます。対象は、災害救助法適用地域の世帯の学生となりますので、お住まいが災害救助法の適用となるのかどうか、確認してください。また、学生本人が居住する住宅が半壊以上の場合には、10万円の支援金が「給付」されます。

大学時代に、奨学金を借りていた方も注意が必要です。今や大学生の2人に1人が奨学金を借りています。卒業後、20年で返済しようという計画を立てて、コツコツと返済していた方もいるでしょう。このように奨学金を返済中の方には「減額返還、返還期限猶予」の対応策が取られます。「払えないかも」と思ったら、まずは、事前に相談してください。黙っていると、借金ですから督促され、最悪、民事訴訟を起こされることすらあります。

返済が困難な場合には、あらかじめ相談し、使えるものはすべて使うという姿勢が大事です。まずは、一旦、猶予してもらった上で、その後の支払いを考えましょう。

災害時だからこそトラブルも多い

応急修理制度を知らず、飛び込みの業者と契約したものの、あとで制度を知って契約を破棄したい、会社と連絡が取れず給料が未払いになった、家が傾いて隣の塀を壊してしまった、など災害時だからこそのトラブルはつきものです。

労働者としての相談であるなら、労働基準監督署やハローワーク、子ども関係なら学校の窓口、お金のトラブルなど法的な支援が必要な時には民事法律扶助制度、などと窓口はたくさんあります。住宅ローンの二重払いについては、債務整理の支援窓口もあります。

災害が起こったあとには被災地域は混乱しますから、詐欺も多くなります。おいしい話にはすぐに飛びつかず、悩んでいるなら、まずは公的な窓口に相談しましょう。災害時には、窓口の担当者自身も災害の対応というのは初めての体験でもあり、言葉の行き違いもあるでしょうが、助けてくれる人は必ずいます。

私が居住している神奈川県でも県民の窓口というサイトを公開しています。似たようなサイトを公開している自治体はたくさんあります。

今は日本全国、どこにいても安心な場所はないと言ってもいいかもしれません。ただ、阪神淡路大震災以降、支援の方法や保険のあり方は確実に進歩を遂げています。正しい知識を持つことが自分を守ることにつながるでしょう。

参考:政府の防災のページ

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當舎 緑(とうしゃ みどり)

「地震保険を考えるFP研究会」「子どもにかけるお金を考える会」所属。一般社団法人かながわFP生活相談センター理事。社会保険労務士、行政書士、ファイナンシャルプランナー。神戸大学農学部卒業後、メーカーに就職したものの、転職を決意。社会保険労務士事務所に勤務後、独立開業。現在は、数社の顧問として、社会保険関係の手続きなどを担当。その他にも、行政書士としての法律相談、ファイナンシャルルプランナーとして、雑誌やウェブでの執筆監修、各種職業訓練の講師、社内研修講師、消費者セミナーの講師などをこなしている。

 
  • Resta(リスタ)の正式名称は「地震被災者のための生活再建費用保険」です。
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募集文書番号:BG02-2018-1995
2018年11月作成
引受少額短期保険業者 SBIリスタ少額短期保険株式会社

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