地震保険コラム「地震で貯金0?」

第6話 地震被害における公助の仕組み

皆さんこんにちは。
コラムも残すところあと2回です。

ここまでお読みいただいたみなさんは、もうかなり地震について詳しくなっていることと思います。
以前と比べて、震災のことが具体的にイメージできるようになったのではないでしょうか。

 

さて、今日は地震の後の「公助」の仕組みについてお伝えします。
これを読んでおけば、「公助」の制度を知らなかったために損をしてしまうことはなくなると思います。

 

まず、現物支給として、避難所や仮設住宅の提供があります。

そして、これに続く現金支給の「公助」として、被災者生活再建支援法に基づく支援金の給付制度があります。

国からの支援
この法律は、阪神淡路大震災の教訓を踏まえ、1998年に、「自助」による住宅再建を側面的に支援するものとしてつくられました。

地震などの自然災害でお住まいに被害が生じた被災者の方々に対して、
①住宅の被害程度に応じて支給する支援金(基礎支援金)・・・最大100万円
②住宅の再建方法に応じて支給する支援金(加算支援金)・・・最大200万円
の合わせて最大300万円の支援金が支給されます。

(表2)①基礎支援金の支給要件と支給額

被害の程度 支給額
①住宅が「全壊」した世帯 100万円
②住宅が半壊、又は住宅の敷地に被害が生じ、その住宅をやむを得ず解体した世帯 100万円
③災害による危険な状態が継続し、住宅に居住不能な状態が長期間継続している世帯 100万円
④住宅が半壊し、大規模な補修を行わなければ居住することが困難な世帯(大規模半壊世帯) 50万円

※1名世帯の場合は、上記金額の4分の3の金額
※出典:内閣府防災情報のページ内「被災者生活再建支援法の概要」

(表3)②加算支援金の支給要件と支給額

再建の方法 支給額
建設・購入 200万円
補修 100万円
賃借(公営住宅以外) 50万円

※1名世帯の場合は、上記金額の4分の3の金額
※一旦住宅を賃借した後、自ら居住する住宅を建設・購入(又は補修)する場合は、合計で200(又は100)万円
※出典:内閣府防災情報のページ内「被災者生活再建支援法の概要」

もちろん、300万円だけでは家を建て直すことはできません。

本制度の概要を説明した内閣府の資料にも、「本制度は、その(生活再建の)中心的というよりは、むしろ下支え的な役割を果たしています。(中略)・・・自助努力や各制度の活用による生活再建の呼び水となることを目的としているものです。」と説明し、あくまで生活再建は「自助」が基本であることを強調しています。

自治体独自の支援
「公助」として、地方自治体でも、独自の生活再建支援を提供している場合があります。

兵庫県は、フェニックス共済という共済制度を運営しています。

フェニックス共済の場合、掛け金(年間5千円)を支払っておけば、持ち家が全壊したときに一律600万円が受け取れます。

ただ、残念ながらフェニックス共済は、兵庫県の県民だけが加入できる地域限定の制度になっています。

また、鳥取県では、平成12年10月に発生した鳥取県西部地震の際、県が、独自に住宅再建費用として300万円を支給しました。
被災者生活再建支援制度にもとづく国からの支援金と合わせると最大で合計600万円の支援金を受けられたことになります。

県が独自の支援金を給付できた背景としては、比較的件数が少なかったという事情もあるかも知れません。

鳥取県や兵庫県のように、独自の「公助」の制度を導入している自治体はまだ例外的です。

財政状況が逼迫している今日では、命を守る対策としての耐震補強工事の補助金の支給が精一杯で、自治体が独自に生活再建策として「公助」の支援を提供するのは難しいのかも知れません。

財政状況が逼迫していることは、大量に国債を発行している国も同じです。

地震で被災したあとの生活再建・復興については、国や地方自治体からの支援金(公助)に多くを求めることはますます難しくなっていると言えるのかもしれません。

「自助」の重要性
地震の後、「公助」による支援が期待できないとすると、地震で家を失った場合に生活を再建するための費用は、保険や貯金などの形で各自が備えておく必要性が今後ますます高くなっていくということになります。

地震対策としては、「命を守る」という防災活動(予防策)が何よりも優先されることは、言うまでもありません。

ただ、そのあとの生活の再建・復興という段階において、「自助による備えがなければ生活が続かなくなってしまう」という現実的な問題も忘れてはいけないことではないでしょうか。

人は、未来の惨事の話になると、その被害が大きければ大きいほど、「自分だけは大丈夫」と思ってしまう生き物です。

これは、「夢を見ていなければ人は生きていけない」ということの裏返しなのかも知れません。

地震で被災した後でも夢を見つづけるために、地震で被災した後も生き続けるために、今、地震の備えを考えなければならないのではないでしょうか。

さて、最終回の次回は、今日まで6回のコラムを踏まえて、自助でどこまで備えておけばよいか?についてお伝えします。



申込み・ご質問・資料請求はお電話またはWEBから