地震保険コラム「地震で貯金0?」

第5話 大地震に備える際に理解したいこと

3つの段階、3つの要素
地震の防災には、災害発生を予見して事前に行う「予防」、災害発生時の「応急」、災害後の「復興」の3つの段階があります。

そして、それぞれの段階において、
・自分の命・財産は自分で守るという「自助」、
・隣近所やコミュニティで助け合うという「共助」、
・国や自治体による支援としての「公助」
の3つの力が連携することが重要といわれています。

(表1)地震防災の3段階×3要素

自助 共助 公助
事前の
予防
・震災を具体的にイメージする。
・家を耐震補強しておく。
・家具を固定しておく。
・情報、連絡の手段を確保しておく。
・非常持ち出し袋を用意しておく。
・保険に加入しておく。
・日頃から声をかけあう。
・防災訓練に参加する。
・避難時に介助が必要な方の情報を共有する。
・地震情報、防災情報の提供。
・耐震工事等の助成制度。
・自治体独自の共済制度。
発生時の
応急
・安全なところに避難する。
・軽いケガは自分で治療する。
・ガスの元栓を締め、ブレーカーを落とす。
・声をかけあって避難する。
・自主防災組織の救助活動。
・避難所生活でのゆずりあい、感謝の心。
・ボランティア、義援金。
・消火活動、救助活動。
・避難所、救援物資の確保。
事後の
復興
・自宅や職場を再建する。
・次の災害に備える。
・街づくり復興協議会の活動。
・災害を風化させない取組み。
・仮設住宅や公営住宅の充実。
・復興支援金の支給。
・法人向けの支援。

上の表のように、地震の防災対策としては、3つの力の連携が不可欠となりますが、その中でも、防災対策の実効性を高めるために、とりわけ重要と言われているのが、「事前の予防」の中の「自助」と「共助」です。

防災対策としては、「自助」と「共助」が主であり、「公助」が従であるという関係をまずは認識しておくことが重要です。

地震から命を守るには
防災対策の中でも近年特に重要と言われているのが予防対策としての「住宅の耐震化」です。

阪神淡路大震災で古い建物の倒壊により圧死した犠牲者が多かったことから、住宅の耐震性を高める必要性が強く求められています。

住宅の耐震化が必要とされている住宅の数は、日本全国でおよそ1,000万戸と言われています。
全国の戸数がおよそ4,800万戸と言われていますので、5戸に1戸以上の割合で、命を落とす危険と隣り合わせで、日々暮らしている方々がいることになります。

多くの地方自治体では、「公助」として補助金を出すことにより、「自助」として市民が住宅の耐震化(耐震補強工事)を実施しやすい環境を整備しています。
あなたのお住まいがまだ耐震化されていな場合は、お住まいの自治体で助成制度がないかどうか調べてみてください。

地震から財産を守るには
地震の後、生活を元通りに立てなおすためには、命を守る対策とともに、「財産を守る」ための対策も重要となります。

ここからは、地震で被災した後の生活再建という場面に焦点をあてて、財産を守るための方法について「自助」から順にみていきましょう。

生活再建策として最も有効な「自助」の手段は保険に加入することです。
いざというときのために貯金しておくという方法もありますが、貯金にはどうしても時間がかかってしまいます。

いつ、どこでおきてもおかしくない大地震にすばやく備える手段としては、やはり保険の方が適しています。

それでは、自助の手段として火災保険に加入していたとしましょう。
地震が原因で家が焼失したときに、住宅再建のための保険金を受け取ることができるでしょうか?

残念ながら、答えは「いいえ」になります。

地震が原因の火災では、火災保険の保険金は受け取れません。
一定の条件を充たせば、火災保険補償額の5%を受け取ることができますが、全焼しても5%の保険金ではお見舞金程度の金額にしかなりません。
したがって、住宅ローンが残っていれば、二重ローンの問題が発生してしまいます。

「火災によって家を失う」という同じ結果になっても、その火災の原因が地震であるかないかによって、火災保険だけでは受け取れる保険金が大きく違ってくるわけです。

それでは困ってしまうので、地震保険があります。
地震保険なら、地震による住宅の倒壊だけでなく、地震が原因の火災も保険金支払いの対象としています。

地震保険の仕組み
少し地震保険の仕組みについて触れておきましょう。

地震保険は火災保険の特約として加入する保険です。
地震保険に単独で加入することはできません。

また、地震保険は、損害保険会社が引き受けをしていますが、政府が再保険(保険会社が加入する保険)を提供しており、法令にもとづいて運用されている制度なので、「公助」という側面をもちます。

地震保険では、大地震が発生した場合でも政府の再保険によって確実に保険金が支払われるようにするために、加入できる金額に上限が設定されています。
加入できるのは、火災保険補償額の半分までとなっています。

例えば、2,000万円でマイホームを建てられた方であれば、2,000万円で火災保険に加入されますので、地震保険に加入できるのは1,000万円までとなります。

したがって、ローンの残債が1,000万円よりも少ない残高のときには、この事例の場合であれば、地震で家を焼失してしまうことがあっても、受け取った1,000万円の保険金でローンを完済することができますが、ローンの残債が地震保険の補償額よりも多かった場合には、二重ローンの危険性が残ってしまいます。

いずれにしても、地震の備えとして地震保険に加入していたとしても、補償額が火災保険の半分しかないので、家を再建することはできず、火災保険と同じ安心感がもてないというのが現状です。

また、地震保険には、再保険の関係で総支払い限度額が設定されています。
2010年3月時点では、5.5兆円と定められています。
単純な計算ですが、1件あたり平均1,000万円の支払いが55万件以上発生するような大地震があった場合には、地震保険に加入していても満額の保険金を受け取れない可能性(地震保険に入っていても満額を受け取れない可能性)もあります。

このように、地震保険は100%万全な再建策ではありませんが、「自助」としては非常に有効な制度なので、その加入率(火災保険への付帯率)も阪神淡路大震災以降、毎年少しずつ伸びています。

その他の補償について
地震保険以外の「自助」の手段としては、農協や全労済などの共済制度があります。
共済は、加入している者同士で助け合う相互扶助という側面が全面に出ているため、「共助」として広く認識されていますが、自ら掛け金を拠出しているという意味では、「自助」の一つといえます。

農協や全労済などの共済で補償される金額は、共催の種類と加入方法、加入口数によって変わってきますが、共済の加入口数(建物の補償額)のおよそ5%?50%が補償の上限となっている
ことが一般的ですので、多くても地震保険と同様の補償額になります。
(※全労済、COOP共済、都道府県民共済、JA共済の場合。2010年3月時点。)

また、5%と50%では、受け取れる金額が10倍違ってきますので、もし現在あなたが火災共済にご加入されている場合は、地震の補償がついているかどうか、ついている場合はいくらついているのか、一度調べてみてください。

さて、次回は、「財産を守る」ための地震対策として「公助」についてお伝えします。
1995年の阪神大震災のときは、最大100万円しか受け取れなかったことは先に述べた通りですが、その後1998年に「被災者生活再建支援法」という法律が制定されています。

次回は、現在「公助」によっていくら受け取れるのかや、受け取れる条件
について詳しくお伝えしていきます。



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